2015年1月29日木曜日

映画を観ているようなマンガ「台風一家」のどこがおもしろかったか

卯野どす。
webコミックモアイのこの応募作品がとてもおもしろかったのでログ!
あらすじの練習もかねて好きだったところとかまとめます。



台風一家(第66回ちばてつや賞入選)/西山貴史 台風一家 - モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト モアイ
西山貴史『台風一家(第66回ちばてつや賞入選)』 ...



あらすじ


新婚旅行の登路、交通事故にあってしまったソウスケとミユ。
台風の目の中に閉じ込められたまま2人だけで暮らしていくことを決める。
やがて子どもの風助が生まれ、家族仲良くくらしていたが、風助が原因不明の急病に。
ミユはソウスケの反対を押し切り風助を連れて台風の「外」へ出て行くことを選択するがーー


見どころ

構図が映画的

今流行りの流麗な絵柄ってわけではないのですが見やすいかった。
特に構図がとても映画的で、たとえば 建物の屋上で救助を待つシーン。
机?で作ったHELPの局所的アップからズームアウトして全体を俯瞰するところとか上手だなあと。

その直後建物へ、ツタが生い茂って時の経過をあらわすとことか、豪雨の空を真下から見上げるとことか、家族の幸せな暮らしを写真を活用して表現するところとか。

マンガは文字的説明と画での説明と両方ができるので、「それから◯年後ー」ってかんたんに言葉で説明してもいいところを、画でじっくり描写してるのがとても丁寧だなと思いました(さいきんのマンガ台詞や解説での説明多い気がするのは私がそういうのばっかり読んでるから?)。



緩急がついていた

前半のズームイン→ズームアウトみたいな手法とか写真描写ストップモーションあるいはコマ送り的な描写とは裏腹に、ミユが風助を連れて台風の壁を突破しようとするところ、ソウスケが後ろから突っ込んでくるところとかスピード感がありました。

ストーリーを急がずに家族の風景とか見せるところはじっくりと見せ、ここ一番のクライマックスは登場人物同様思いっきり力を入れて描く。私もソウスケ同様ハンドルを握りしめておりました。心の。




ミユの成長


外にでるのをとめるソウスケにミユは「大丈夫 絶対なんとかなるから大丈夫だよ!」って言うんですけど、最後まで読み返してもっかいここに戻るとこの台詞をうけてのソウスケの表情が2重にくるものがあるんだなあああ。

子どものために外に出ようと強くなったミユ。母性の強さを説教くさくなく描写できてます。
あげておとしてもっかいあげる、最後にじんわり爽やかな読後感を残す、よい演出でした。

しかし、これが大賞じゃないって道は険しいんだな…

twitterでマンガ好きな方のリンクから知ったのだけど好みが近い人のおすすめはやっぱ良いですね。Kさんありがとーーでーーす。







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