2014年10月8日水曜日

人ってさびしい、人ってやさしいー吉田秋生「海街diary 」(と、私)

やっと手を伸ばせた、読みたかったマンガ。
吉田秋生「海街diary」 は月間フラワーズで不定期連載されている作品。現在6巻まで出てます。
鎌倉を舞台に、父の死をきっかけに一緒に暮らすことになった三姉妹と異母妹、そしてその周辺たちが織りなす優しく、時にさみしいヒューマンドラマ。





長女幸(サチ)、次女佳乃(よしの)、三女千佳(チカ)、そして彼女たちと父を同じくするすず。
ストーリーの中心となるこの4人の年齢がうまくアラサー〜中学生というようにばらけているため、それぞれの年代で直面するライフイベントを垣間見ることができる。 
タイトルに(と、私)と入れたのは、ちょっと私が今いる状況と重なって、主観的に読みすぎてしまったから。
以下ざくっと心に残った場面ログです。


三姉妹とすずが父の葬儀で初対面する場面。すずの実母は早くに病気で亡くなって、後妻で入った女性陽子サン(つまり彼女たちの父にとっては3番目の奥さん)とその息子たちと暮らしていた。
旦那さんが亡くなって泣きじゃくってる陽子サンに代わり周りの大人たちがすずに出棺のあいさつをさせようとするところで、長女サチがその陽子サンをバシっとたしなめる台詞はきいたなあ。
「これは大人の仕事です!」
「おとなのするべきことを子供に肩代わりさせてはいけないと思います」

その後、父の病状の世話を後妻陽子サンの代わりにずっとすずがしていたと見抜くサチ。サチに「ありがとう」といわれ、そこですずは押し殺してきた感情が溢れてきて、はじめて中学生の子どもに戻って号泣してしまいます。


ほかにも、すずのサッカークラブのチームメイトでエースキャプテン裕也が突然の足の腫瘍(おそらく骨肉腫?)で利き足を切断せざるを得なくなって、まだほんの中学生でその絶望をどうやって乗り越えるのかとか、長女サチの勤務する市民病院で、患者さんたちとどう向き合うかとか、海猫食堂のおばちゃんの死とか、どうしても病労苦関係のところで目頭が熱くならずにいられなかった。
というのは今私の現実でおばあちゃんが病床に臥せってて、死へ向き合う人間を毎日観ているから。
ばあちゃんと言っても義理だし、すごく仲良しってわけでもない。自分の身内でも祖父母はじめ家族の死に5人たちあってる・それでもやっぱり、自分の知っている人がこの世からいなくなるかもしれないという不条理は、いつまでたっても慣れない。
そういうやりきれなさを、それをこの作品みたいにこれから先、できるだけ穏やかに受けとめていけたら、って思いました。

そういった人間の機微が、ディテールが、鎌倉の街並みとともに丁寧に描かれてて、ああこれ映画でゆっくりみたいなあと思ったら2015年に映画化されるということで!


映画『海街diary』公式サイト | 2015年初夏全国公開。








どんな感じになるんだろう映画。鎌倉にも行ってみたいな。




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